環境環境言うなら軽い車をつくるべき
EVが良い?ハイブリッド車が良い?水素自動車が良い?
環境問題についてはいろんな意見があります、特に自動車は。
「環境のために全ての自動車は無くせ!」
と言う極論は置いておいて、個人的な意見としては環境に優しい車をつくるなら車両重量を軽くすることだと思っています。
今年の9/3に、車の重量が重くなっている問題、と言うタイトルのブログを書きました。
アメリカのデータになりますが、1980年と2022年の平均車両重量を比べると、454kgも車両重量が増加しているそうです。454kgは大人6~7人分の体重になります。
最近SUVが売れていますが、SUVは車両重量が重くなりがちで環境に優しい車とは言えません。技術の進歩で燃費も良くなり排出するガスもクリーンになっていますが、その分車を重くしていたら、技術の進歩で得たアドバンテージを帳消しにしているようなものです。
以下はオランダのニュースサイト、デ・コレスポンデントの情報です。
ある研究者の調査によると、1980年から2006年までの26年間で車両重量が変わっていなければ、EU圏で20%、アメリカで40%の燃料消費を削減できていたそうです。
これが1980年から2022年のデータだと、さらに大きな削減になりますね。
また、同サイトは
20020年から過去10年間で地球のCO2が増加した最大の原因1位が中国のインドの石炭火力発電、2位がSUVの台頭だ。
と述べています。このデータがどこまで正確なものかは分かりませんが、車両重量増を問題視する意見は少なくありません。
車が重くなる害は、燃料消費が増え排ガスが汚れるだけではありません。タイヤやブレーキパッド、ブレーキディスクの摩耗も多くなり、道路に与えるダメージの増加、車両製造に必要な材料も増えることになります。
車両重量が増えた要因は求められる安全性が上がったことや、SUV等車両サイズの大型化、EVやハイブリッド車のバッテリーです。
安全性については衝突安全性を高めるため強度を強くする必要があったり、安全装備を充実させることによって重量が増えてしまいます。安全性については、まだ発展途上のADAS(先進運転支援システム)がより進化すれば解決しそうな気がします。極端な例になりますが、ダンボールでできた車であってもぶつかる可能性がなければ安全です。
ハイブリッド車のバッテリー重量については、10年20年乗っても故障が少ないトヨタのハイブリッド車であれば環境に悪いとは思いません。ハイブリッド車はブレーキパッドの摩耗もかなり少ないですし。
もちろん自動車メーカーも車両重量を軽くすることが環境に良いこと位は知っていますが、結局は売れ筋の車を製造しなければ利益にならないので、世界中の多くの消費者が軽い車しか買いたくない!とならなければ大幅な軽量化は進まないと思います。
環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんあたりが、無茶な極論ばかりを唱えるのではなく、
「車両重量を軽くしよう。自動車メーカーは軽い車を製造し、消費者は軽い車を求めましょう!」
と声を上げてくれると良いのですが…
因みに、重い車を全否定しているわけではありません。例えば多くの人や荷物を運ぶ車は重くなって当然です。ADAS(先進運転支援システム)が良い形に進化して軽量化につながれば良いと思っています。ただ、ADASも無駄にコストがかかってしかも修理を困難にさせる、と言うのは困りますが…。
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