並行輸入車の登録についてい

2021年3月15日

最近お客様や取引先の業者さんからの問い合わせが多く、SNSでも拡散されている並行輸入車の審査時無規定の一部改正に関する問題。

これです↓
https://www.naltec.go.jp/publication/public-comment/public-article/018.html

何が言いたいのか分かりにくいかもしれませんが、私も具体的に何がどうなるのか分かりません。

Twitterなどでは

・並行輸入車やクラシックカーが日本で登録できなくなる
・並行輸入車の締め出しだ
・悪法だ

のようなつぶやきが多いようです。しかし、並行輸入車が輸入できなることはありません。難易度が高くなる、中には輸入はできたとしても登録できない車両が出てくる可能性はあると思われます。

また、今回の改定は法律ではなく、審査事務規定の一部です。並行輸入車の予備検査を受ける前に、事前審査書類を提出しますが、この事前審査書類のチェックが厳しくなるんだよ、と言っていると理解できます。

並行輸入車は海外から届いた時点ですぐに予備検査を受けて登録できるわけではありません。

輸入車両が日本に到着→陸揚げ→通関→排ガス試験→マフラー騒音試験→予備検査の事前審査→改善(車を日本の保安基準に適合させる)→予備検査

のような流れになります。

蛇足ですが、
・排ガス試験
・マフラー騒音試験
は、必ずしも受験が必要とは限りません(理由は省略)
逆に、車両によっては、車両に使用されている素材が燃えにくい素材であることを証明する難燃性試験などを受けなければならないケースがあります。

内燃機関を有する自動車は1台につき3万点程の部品が使用されているそうですが、海外から輸入した車両が日本国内の公道走行にふさわしいつくりなのかを証明する手続きが予備検査の事前審査です。

予備検査の事前審査と言っても実際に車両を搬入して構造や各部品全てをチェックするわけではありません。もしそんなことしていたら何ヶ月もかかると思います。基本的には事前審査とは書類審査ですが、その書類の審査が改正後に厳しくなるという訳ですね。

弊社は特に珍しいメーカーの車両を輸入していますが、確かに最近予備検査の審査がすんなり通らないことが多く、訂正・修正を求められることが多くなりました。その都度、海外から書類を取り寄せしなければなりませんので、新型コロナの影響も加わり、納期がどんどん遅れてしまいます。

今でも厳しいと思っていますが(愛知県だけ??)、これが今後さらに厳しくなるのは歓迎できることではありません。しかし、今までとどこまで違うのか、正直今回のプレスリリースだけでは判断できません。

専門用語の解説は長くなるので省きますが、改正後はメーカーが技術基準等の適合を証明するWVTAラベルやFMVSSラベル等が偽造されていないかを厳格に審査することになるそうです。

ラベルの真正性については、審査する側がメーカーに確認すればすぐに分かるんじゃないでしょうか?

私も名古屋市中川区の陸事(愛知運輸支局)に予備検査の書類を何度も提出に行ったことがありますが、技術基準適合証明書提出時に中部検査部の職員の方から
「メーカーに確認します」
と何度も言われています。因みに技術基準適合証明書が適正なものかメーカーへ確認するのは、”本部”と呼ばれる東京の組織が行うそうです。例えばロシアのUAZであれば、ロシアのUAZの担当者にメールを送って確認します。本当に確認しているのかな?と疑ったこともありましたが、実際に確認していました。

ラベルの真正性の確認が取れない場合には、届出者は、当該ラベルの真正性を証明するか、ラベル以外の方法による技術基準等の証明が必要になるそうです。

もしラベルの真正性が無いと判断された場合、これはかなり大変なことです。弊社が過去に輸入した車両によっては、一部技術基準の適合確認が取れていない部分があったことがありますが、その際にはその箇所を個別で試験機関にて試験を受けて証明しました。それが前述した難燃性の試験だったりしますが、一部分だけでも大変なのに、車両全部を検査するなんて気が遠くなる作業です。

いずれにしても、今回の改正についてもう少し勉強しないといけません。