フランスで急増、ハイブリッドバッテリーが窃盗団の新ターゲットに
フランスでは車両が丸ごと盗まれる自動車盗難被害もとても多く、在仏日本国大使館のデータによりますと、2024年は毎月12,000件位の車両盗難が発生しています。これは、日本の年間自動車盗難件数(約5,700件/2023年)の2倍以上の車が、フランスではたった1ヶ月で盗まれている計算になります。
そんなフランスでは、最近新たな自動車に関する盗難リスクが高くなっています。それはハイブリッド車、マイルドハイブリッド車のバッテリー。
以前からフランスでは、キャタライザー(触媒)やバックカメラの盗難、カーナビやオーディオ、車内に載っている金品が狙われる車上荒らしは多かったのですが、ハイブリッド車のバッテリーが狙われるようになったのです。
このハイブリッド車のバッテリー盗難は2023年後半頃からフランスやベルギーで増えていて、特にトヨタのハイブリッド車が狙われるそうです。
ハイブリッド車のバッテリーが狙われる理由
- 取り外しが簡単
ハイブリッド車のバッテリーは後部座席の下、トランクルーム下等に設置されているので、比較的簡単に取り外しができます。EVの場合、車体構造の一部としてフロアのシャシーに統合されていることが多く、バッテリーを分離することが極めて困難です。 - 扱いが楽
EVやPHEVのバッテリーを仮に取り外せたとしても、その重量が数百キロもあるので人力で運ぶことは不可能。ハイブリッド車のバッテリーは数十キロなので、成人男性なら一人でも運ぶことができます。サイズ的にも隠しやすく保管しやすいメリット(泥棒目線)があります。
特にトヨタのハイブリッド車で後部座席下にバッテリーが設置されているモデルは数分で盗難が可能なので、泥棒から人気があります。
盗んだハイブリッド車のバッテリーはブラックマーケットで新品の半値以下の10万円~15万円で取引されているそうです。
そして、このハイブリッド車のバッテリー盗難で厄介なのは、防ぐことがとても難しいことです。路上駐車が多いフランス、窓ガラスを割って短時間で盗まれます。ガラスを割って車内に侵入されるとセキュリティが作動してアラームが鳴ると思います。でも、アラームが鳴ったところで一般人は警察に通報するくらいしかできません。警察が到着したころには窃盗団はバッテリーを持ち去っているでしょう。
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