中国の新車価格競争激化
中国の自動車業界は、毎月新モデルやマイナーチェンジ発表の情報がアップデートされています。
直近1ヶ月だけでも
・Lynk & Co 900:2025年4月28日発売の新モデル
・Galaxy Star 8:2025年5月9日発売予定の新モデル
・eπ007:2025年5月21日発売予定のマイナーチェンジモデル
・Xiaomi YU7:2025年5月22日発売の新モデル
・Trumpchi M8:2025年5月26日発売の新モデル
の発表がありました。細かいチェンジや小さなメーカーを含むともっと多数あるはずです。少しでも早く新しい技術やデザインを採用した車両をリリースすることが、各メーカーにとって重要な競争戦略となっています。
競い合っているのは技術やデザインだけではありません。新型がどんどん市場に投入される影響からか価格競争も激化しています。
購入したユーザーへの配慮が必要なので、普通ならそう簡単に新車価格の値引きをしません。ところが中国においては、そんな事お構いなしで新車価格大幅値引きしたり、それに準ずるキャンペーンを実施するようです。
中国の最近の自動車ニュースサイトでは、价格战(値引き)、掀桌子(机をひっくり返す)と言う言葉が出てきます。自動車メーカーが多数の車種を机をひっくり返すような激しい勢いで値引きをしている、というような表現をしています。掀桌子の机をひっくり返すは、日本で言う怒ってちゃぶ台をひっくり返す、とは違って、「常識を覆す」、「ルールを無視した」と言うニュアンス。
中国では6月18日に“618商戦”と呼ばれる大規模なECセールイベントが行われます。自動車メーカーもそれに合わせて値引きやキャンペーンを打ってきますが、まだ6月に入る前から各メーカーは大幅値引きを発表しています。
驚くべきことに、最も売れているBYDですら期間限定で20%~35%位の割引を実施します。プラグインハイブリッドのBYD 海豹07DM-i智驾版に至っては、
15.58万元(日本円で約311.6万円)が値引きされて
10.28万元 (日本円で約205.6万円)になっています。
日本の場合、例えば600万円位のトヨタのクラウンを150万円位値引きするなんて絶対にありえない話ですが、中国ではそれが起こっています。
これに不満を抱いているのは価格の優遇を受けられなかった既納客(既存顧客)。昨日200円で買ったキャベツが、今日150円になっていた、というレベルの話ではないので、値下げに関する苦情は前年比で大幅に増加しています。そりゃそうですよね!?
中国で一番売れているBYDがなぜ大幅な値下げをするのでしょうか?
その答えは、恐らくBYDは2025年の世界販売目標である”550万台”を何が何でも達成させたいのだと思われます。同時に、Chery(奇瑞)、AITO(アイト)、Xiaomi(小米)、Li Auto(理想汽車)といった他メーカーも着実に追い上げを見せているので、BYDは焦りがあるのかもしれません。
しかし、この薄利多売、
「顧客に満足してもらう」
「利益を上げる」
ではなく、
「目標台数を販売すること」
「シェアを奪うこと」
になっています。
中国の薄利多売戦略は「デフレの輸出」と揶揄されています。自動車も太陽光パネルのようになってしまったら大変。中国の自動車市場で繰り広げられる激しい価格競争は、単なる中国国内の現象に留まらず、世界的な自動車産業の構造を大きく変える可能性を秘めています。各自動車メーカーが中国企業の薄利多売戦略にどう立ち向かうか目が離せません。
好きな車と、暮らそう。
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