高速走行を想定した衝突試験が無駄である理由

2024年3月19日

アメリカのIIHS(道路安全保険協会)は、自動車事故を減らすことを目的として設立された非営利団体。自動車の衝突安全性を評価する衝突試験を行っています。

IIHSは時速40マイル(約64km/h)の衝突試験をしています。しかし、道路を走っている自動車はその倍以上で走る能力を有しています。また、アメリカのハイウェイでは制限速度が時速85マイル(約136km/h)のところがあります。にも関わらず、時速50マイル以上の速度での衝突試験でを行なわれていないのでしょうか。

そんな理由をYoutubeで紹介しています。
また、この件についてthedriveやcarscoopsも記事にしています。

結論から言うと、高速走行での衝突試験をして、

「それをクリアするべきだ」

とすることは現実的ではないからです。

衝突エネルギーは衝突速度に応じて指数関数的に増加します。例えば衝突速度を時速40マイルから時速50マイルにすると、衝撃エネルギーは約56%増加するのです。

高速衝突試験に耐える自動車にするには、それだけ車両を頑丈にしなければなりません。頑丈にすると言うことは車両はどんどん重くなり、重くなると衝突時に与えるダメージも増加。また、事故件数全体で見ると、高速走行での事故のはレアなケースになるそうです。

つまり、件数の少ない高速走行時を衝突試験の基準にしてしまうと他の危険性が増してしまうい、結果的に安全には繋がらない、と言うことになるそうです。

今でもアメリカでは年間4万人以上が交通事故で亡くなっています。しかし、車両を頑丈にして衝突安全性を上げる方法には限界があるので、ドライバーの意識や行動、法律や道路の設計や標識等の見直し、ADAS(先進運転支援システム)等によって死亡事故を減らさなければならない、と言っています。

納得。

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