ウイグル強制労働問題、自動車業界も混乱発生
以前衣料品で、中国の新疆ウイグル自治区で栽培される綿花、新疆綿(しんきょうめん)を使用している製品が問題になりました。新疆綿は世界の綿生産量の20%のシェアだったみたいです。
中国では、マイノリティなウイグル族が強制労働によって新疆綿を収穫。それを使用して製造された製品を買うということは、間接的に人権侵害をしているので問題だ、ということです。
これによって、大手のアパレルメーカーは新疆綿の使用を止めることになりました。
新疆ウイグル自治区における綿花生産に中国政府が関与していたのかは不明です。恐らく真実が封印されているので我々が真実を知ることがはできません。
この問題、衣料品だけの話かと思っていましたが、最近自動車産業にも影響が出ています。
JETROのHPのビジネス短信に
「米ウイグル強制労働防止法でVWグループの自動車輸入が差し止め、メディア報道」
というタイトルの記事が掲載されています。
アウディ、ポルシェ、ベントレー等の車種に搭載されている電気部品の一部が、ウイグル族の強制労働によって生産されていた疑いが浮上したのです。
アメリカの税関では、2022年6月21日に施行されたウイグル強制労働防止法(UFLPA)に基づき、ウイグル族の強制労働によって製造された物の輸入を制限しています。
これについて調べてみたところ、疑いがあると判断された場合、輸入業者がサプライチェーンを追って強制労働に依拠していないことを証明しなければなりません。サプライチェーンを追っての調査はとてもコストや時間がかかるだけではなく、証拠となる資料や情報を入手すらできない可能性があります。
もう1つの解決方法は、問題の電装部品を、適正な環境下で製造されたものと交換する。この電装部品は英語では”small electrical component“となっています。具体的にこらがどんな部品なのかは分かりませんが、センサーやヒューズ等であれば交換はそれほど難しくはありません。しかし、ECU等の基盤に使用されているコンデンサや抵抗器、トランジスタを交換しないといけないとなると、これはかなり大変でしょう。
最新の情報によりますと、この問題の影響で、13,000台程のアウディ、アウディ、ポルシェ、ベントレーがアメリカの港で保留の状態になっていて、納期の遅延が発生しているようです。具体的な車種は、ポルシェ911、タイカン、マカン、アウディQ5、Q7、e-tron、ベントレーベンテイガ、フライングスパー等、その大半がアウディ。
納期の遅延は数ヶ月位~数年かかる可能性があるので、これは大事になりそうです。今後他のメーカーや車種にも影響が出る可能性があります。
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