中国車の部品購入は落とし穴だらけ

2024年2月25日

弊社は、中国車の純正部品を国内の企業に納品しています。主に研究用です。

「車の部品購入なんて、現地で買ってそれを日本に送るだけだから簡単でしょ?」

と思われるかもしれませんが、簡単でもあり難しくもあります、中国の場合は。

どういうことかと言いますと、偽物でも良ければとても簡単ですが、純正部品の購入はかなり難しいのです。

例えば、中国のネット通販でヴィトンのバッグを売っていたとしても、偽物が届くかもしれないと不安になりますよね?自動車部品も同じです。

偽物にも種類がある

中国の偽物商品には仿制品、假冒品、山寨品があって、自動車部品に存在するのは仿制品と假冒品です。

山寨品が多いのは、ファッション関連商品。例えばTシャツやサンダル等。NIKEの商品の”NIKE”の文字を”HIKE”や”NICE”に変えた偽物が山寨品。サンダルなら適当に作ってもその機能を果たします。それにロゴをプリントするだけで山寨品のできあがり。

パロディ的な要素が強いと思いますが、中国の山奥の人なら
「これが都会で流行っているブランドか、買ってみよ」
と、よく分からずに購入しちゃうのかも。

厄介な仿制品

自動車部品に山寨品が少ない理由は、製品の構造が複雑で、山寨品では使用することができないからです。

中国で自動車の純正部品購入が難しいのは、仿制品、假冒品を買わされるからです。例えば中国で販売されている自動車部費にの品番を特定し、その品番から部品を購入しようと、googleで検索するとAlibabaが出てくることがよくあります。じゃこれを買い物カートに入れて購入すると、仿制品や假冒品が届いてしまうのです。

最も厄介なのは、仿制品。假冒品は見るからに粗悪品なので、届いて箱を開ければ

「何だこれ?偽物じゃん!」

と分かります。

仿制品は精巧に作られていて、簡単に純正部品と見分けることができません。言い方を変えるとイミテーション(Imitation)です。

仿制品と知らず純正部品と思って研究用にテストをしていたところ

「おや?何かおかしいぞ…」

と気がつけばまだましで、純正部品だと思いこんで間違ったデータをとってしまったら大変です。

だったら、

「仿制品や假冒品ではなく純正部品を送ってくれ」

と伝えても、仿制品が送られてくるのが現実です。

過去に仿制品を掴まされて痛い思いをしたお客様が、多少高くても間違いない純正品を入手したいと、弊社をご利用頂いているケースが複数あります。

偽物問題で警察沙汰になったことも

中国政府も偽物が流通することは、国際社会から批判されるので良いとは思っていません。

下の画像は、アリババやタオバオ等の中国のECサイトで売られていたBMW純正部品の仿制品。警察が台湾の苗栗県の業者から押収したもの。


大纪元新闻网より引用

箱もBMW純正ロゴ入なので、消費者はBMW純正部品と思って購入し使用していたのでしょう。この仿制品エアフィルターやオイルフィルターを使うと、エンジンが故障したり、重大なダメージを与える可能性があるそうです。

なぜ仿制品が出回るのか?

なぜ中国では仿制品が当たり前のように流通しているのでしょうか。よく言われているのは、

「急激に無理な経済発展をしていく段階で、売れれば何でも良い精神が根付いた」

です。しかし、それだけではありません。中国の社会主義市場経済体制は、国有企業と民営企業が混在しています。政府から手厚いサポートを受けられる国有企業に対し、必死になって生き残ろうとする民営企業は

「ルールなんて守っていたら野垂れ死ぬ」

という考え方になります。

ブランド品がなぜ良いのかを理解していない消費者は、安けりゃ良いと思っていたり、そもそも本物や偽物を意識すらしていない可能性もあります。偽物を取り締まるべき立場にいる人達も、知的財産権侵害に対する意識が希薄なのでしょう。感心してはいけないことですが、仿制品や假冒品が商品化されるまであっという間だそうです。新製品が発売されるとすぐにその仿制品や假冒品が流通します。

また、自動車の部品に至っては、純正品を製造している工場が、ブランドロゴを消して純正品より安価に同じ商品をアリババ等に横流していることもあります。


好きな車と、暮らそう。

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