ジャムの法則以上に消費者を混乱させる過剰な新車投入

2026年8月26日

人は、選択肢が少なすぎると「選ぶ楽しさがない」と感じます。

しかし、逆に選択肢が多すぎても「どれを選べばいいのか分からない」と迷ってしまいますよね。

よく例えられるのがジャムのお話。
ジャムを3種類しか置いていない店では、消費者は比較的すぐに購入するジャムを選びます。ところが、30種類ものジャムが並んでいると、「どれがおいしいのか」「どれを選ぶべきか」と悩み、結局何も買わずに帰ってしまうことがあります。このように、選択肢は多ければ多いほど良いとは限らず、ある程度に品数を絞ったほうが人は選びやすく、行動しやすくなります。これをジャムの法則と呼びます。

半年で650車種の新型車が投入された中国

中国では、自動車メーカーの過剰な新型車投入が問題になっています。2026年1月〜6月のわずか半年間で、中国の自動車メーカーは約650車種もの新型車・改良モデルを投入しました。単純計算でほぼ1日に4車種というペースです。7/16には8社が新型車投入の発表をしています。

ただし、この650車種のうち、フルモデルチェンジなど本当の意味での「新型車」は一部にとどまり、大半は年次改良や航続距離の微増、仕様追加、限定カラーといった派生版。それでも各社が「新型車」として次々に発表し続けていること自体が、過当競争の異常さを物語っています。

中国では、過酷な生き残り競争が過剰な生産能力を生み出し、価格競争や新型車投入を加速させる異常な事態に陥っている状況。過剰な投資や地方政府の補助金を突っ込んでいるので、工場を止めるという選択肢はありません。作りまくって価格をどんどん下げて、次々と新型車を投入する、この悪循環に陥っています。

消費者が選んでいるうちに新型車が出る

自動車のような大きな買い物をする際、カタログやスペックを見ながら選ぶのも楽しみの1つ。

ところが中国では多すぎる選択肢からどれにしようか検討することが、ジャムの法則状態になってしまうのです。さらに悪いことに、選んでいる最中にもどんどん新しいモデルが投入されるのが今の中国です。購入を決意しても、次々と新しくて性能の良い新型車が発売され、納車される頃には過去のモデルになっているのでは?という不安が消費者の購入意思決定を難しくさせるのです。

世界中に大きな影響を与える過剰生産

何度もブログで書いてきましたが、この過剰な生産能力問題が自国だけのことなら中国以外にとって問題はありません。ところが、余剰生産能力や在庫は、世界中へ大量かつ破格の値段で輸出されることになるので、大変迷惑な話です。


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