大気汚染に対処するため2,234台の自動車を押収したインド

2024年11月20日

インドのデリー運輸局が今年の10/1~11/15までの間に2,234台の古い自動車を押収しました。押収された理由は深刻な大気汚染に対処するためです。

・10年以上経過したディーゼル車: 260台
・15年以上経過したガソリン二輪車: 1,156台
・15年以上経過したガソリン三輪・四輪車: 818台

日本でも10年、20年経過した自動車は多数走っていますが、日本では1970年代から排ガス規制が始まっています。インドでも2000年からバーラト・ステージ(BS)と呼ばれる排ガス規制基準がスタートしています。2020年以降のインドは欧州のEuro6と同レベルのBS6と同レベルになっていますが、バーラト・ステージもBS1~BS3位までは非常に緩い規制だったので、日本の10年、20年前の車と比べてもかなり環境負荷が大きい車両です。

インドの大気汚染は世界最悪レベルで、あまりにも大気汚染が酷いためニューデリーの小学校ではしばらくオンライン授業に切り替わりました。子供や高齢者、呼吸器疾患のある人はできる限り屋内にとどまるように呼びかけをしています。

以下のマップはIQAir(スイスの空気清浄機メーカー)の大気汚染のリアルタイムデータです。今日の13時過ぎのデータです。

イギリスの医学誌、BMJによりますと、インド全体では、大気汚染が原因で毎年約218万人が死亡しているとされています。大気汚染は、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糖尿病などの慢性疾患の発症や悪化に深く関わっていると考えられています。

かわいそうなのは、インドの隣国バングラデシュとパキスタン。インドの汚染された大気を吸って生活しなればなりません。

大気汚染による世界の年間死者数は800万人位と言われています。第二次世界大戦の約6年間の死者数は推定値で4,000万人~5,000万人と言われています。大気汚染による死者数も6年間だと第二次世界大戦の推定範囲内に収まりますので、大気汚染対策で2,234台の車を押収した程度では焼け石に水かもしれません。

 


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